介護老人保健施設とは「老健」と略されて呼ばれることが一般的な、利用者さんの自立生活をサポートする介護やリハビリ、栄養ケアを提供している入所施設サービスです。
特別養護老人ホームである特養との違いや実際に働く上での仕事内容などをまとめて紹介していきます。
老健とはどんな施設?働きやすい?特養との違い
高齢者の自立生活を支援する介護を提供
特養と老健の違いをカンタンにまとめると、特養の場合は脳血管障害・循環器疾患などの重い病気を治療した後に入所する施設で、退院後に病状こそ安定しているものの後遺症の影響などで自立生活が困難になってしまった方が中心となります。
一方、老健では特養とは違って自宅での自立生活を目標としている人が多く入所している施設となります。
平均要介護度も特養より低い
入所者の平均要介護度は特養では3.9ですが、老健では3.3と少しですが軽くなっていて、この違いは入所する条件に違いがあることも理由の1つです。
- 要支援1と2の人は特養・老健ともに利用はできない
- 要介護度1と2の人は特別な理由が無い限り特養は利用できないが、老健には入所できる
寝たきりや四肢の麻痺、意思疎通の困難が難しくて要介護度が4または5の人が多いのが特養で、介護やお世話の力があれば自立生活を送れる人をメインとしているのは老健となります。
仕事は楽しいレクから看取りまで対応
老健は要介護度1~5の人が入所している施設なので、提供しているサービス、仕事内容も利用者さん個別に合わせて異なってきます。
- 基本的な食事、入浴、排泄介助
- 自立生活への復帰を目指した機能訓練、栄養ケア
- 散歩や季節行事、レクリエーションなどの提供
今までデイサービスやショートステイ、介護予防といった基本的に自宅で自立生活を送っている人を対象とした施設で働いていたからすると、仕事としては同じでも内容や質に違いが出てきます。
例として食事、食事介助に関することでいうと
- 食事もミキサー食、刻み食が中心
- 両上肢が不自由な方の場合、ほぼ職員がスプーンで口まで運んであげる
- お茶や水分補給も湯飲み、コップではなく飲み口が細い専用の道具
などなど見守り、補助的な要素は少なくなり、ほとんどの動作を介護してあげる必要が出てきます。
寝返りが自分でできない利用者さんには、褥瘡ができることを防ぐために定期的に体位変換を行う必要もあります。
またお薬の投薬、服薬管理といった仕事も老健では求められます。
介護度1~2の人は少ない
介護度1~5の人が入所できるとはいっても、割合的にいうと1~2の人は4人に1人の25%となります。
これは施設の方針によっても変わってくる数値で、積極的に在宅復帰を支援しているところであれば、割合として増えます。
求人を探したり、応募して面接のときには平均要介護度などを調べたり聞いたりすると施設での仕事内容についても把握しやすくなります。
また職員数の内訳をホームページなどで公表しているのであれば、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の人数が多いところは在宅復帰率が高いと考えても良いでしょう。
1日の流れ
1日のスケジュールとしては特養とほぼ変わりはありません。
- 07:00~ 起床:離床、衣類の着脱、排泄介助
- 08:30~ 朝食:配膳準備、食事介助、内服薬の管理投与
- 09:30~ 入浴、機能訓練、バイタルチェック、健康管理
- 12:30~ 昼食:食後には口腔ケア等
- 14:00~ レクリエーション、セラピスト・栄養士による訓練
- 15:30~ おやつ、ティータイム:職員はケアプラン、各記録簿の記入等
- 18:30~ 夕食:夜勤者との申し送り、1日のまとめ
- 20:00~ 消灯時間:就寝の確認
- 22:00~ 夜間の巡視など
給料は高いです
老健の給料は他の介護サービスに比べると高くて、正規職員の平均額だと約30万円程の月給となっています。
※平均年齢38歳、平均勤続年数8年、週40時間勤務の場合
参考までに特養での平均給料としては約31万円となっており、これは通所・訪問系に比べると24時間365日体制の施設入所サービス系のほうが高いということが言えます。
- 夜勤手当、土日祝勤務手当の有無
- 施設系では残業があることも
パートや派遣勤務だとあまり変わりはないようですが、土日出勤や夜勤が嫌じゃないという方は、給料が高くなる施設系でのお仕事が向いているかもしれません。
医師と看護師も配置されている
老健では要介護度が高く介護だけではなくて医学的管理・医療行為を必要としている入所者もいることから、人員基準で医師と看護師を配置するように定められています。
万が一利用者さんが急変したときには医師と看護師が対応してくれるため、働く側にとっても安心できる部分でメリットともいえるでしょう。
その他は入院調整の生活相談員(ケースワーカー)、PT・OT・STのリハビリスタッフ、入所者の栄養管理をする栄養士などが働いています。
働くのが向いている人
要介護度が高い人が多く、ほとんどの日常動作や食事・排泄(オムツ交換)・体位変換をサポートもしくは全介助する必要があるので、このような業務が好きな方に向いています。
手助けが必要なところだけお世話をしてあげるというよりは、全てのことに対して介護をしてあげる必要があるということを知っておいて下さい。
在宅復帰率の向上を目指している老健だと、自宅復帰へ向けた積極的な訓練、そしてレクリエーションを実施していますので、寝たきりの人ばかりという印象ではなく、元気な高齢者さんのお世話をするという印象が強くなります。
老健の求人情報
寝たきり、身体が不自由、意思疎通が困難といった利用者さんが多い老健ですが、先程も解説したように在宅復帰に向けて介護職員による日常生活の支援、リハビリのセラピストによる機能訓練、管理栄養士による栄養ケアを積極的に行うケースも多々あります。
これは施設の方針によるところが多いので、求人探しや面接のときに在宅復帰率や利用者の具体的な状態などを聞いてみると良いかもしれません。
また老健を運営しているところはデイサービスや通所リハなども併設しているところも多いので、同法人・施設内での勤務移動の有無も確認するようにしてください!

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